最近、役場に生活騒音に関する苦情や相談が寄せられています。
事業活動や生産活動に伴って発生し、法令に定められた明らかに生活に影響を及ぼす騒音については、規制の対象となり改善が図られてきました。
一方、日常の生活行動に伴う音、例えば、テレビや楽器、ペットの鳴き声など(生活騒音)は、法令による規制の対象になっていません。
生活騒音は、人が活動することに伴って発生するものであり、多くの人が被害者にも加害者にもなりえます。
このような生活騒音を法令で規制することは、日常生活に制限を加えることとなるため、一律的な規制にはなじみにくいものといえます。
あなたも隣近所に迷惑をかけているかも
自分が出す音は気づかない
私たちはいろんな音を出しながら日常生活を送っています。自分の出す音を意識することは少なくても、近所の人の出す音はうるさいと感じたことはあると思われます。
あなたは被害者?加害者?
被害にあった時だけ気がつきやすいものなのですが、立場が変わればお互いに加害者になったり被害者になったりするものです。
例えば、あなたにとって快適な音楽が隣人には不快な音に、かわいいペットの鳴き声も隣人にはうるさい音に感じられているかもしれません。
生活騒音の種類と注意点
楽器や音響機器について
- 時間:夜間は控えめにして、ヘッドホンなどで聴く。
- 場所:スピーカーの向きなどを工夫する。
- 防音・吸音:窓やカーテンなどを閉め、じゅうたんを使用する。
住宅機器や設備について
- 洗濯機や掃除機:音の小さなものを購入し、夜間の使用は控える。
- ボイラー:低騒音のものを購入し、設置場所にも注意して、夜間の使用は控える。
ペットについて
- 犬:規則正しく食事を与える。ムダ吠えをしないようしつける。犬小屋の位置に配慮する。
- 猫:繁殖期の鳴き声は迷惑です。繁殖を望まない場合は獣医師に相談する。
- 小鳥や鶏:早朝や深夜は鳴かせないように。かごや小屋を布で遮光するなどの配慮も必要。
生活行動やその他について
- 集合住宅:ドアの開閉や階段の昇り降り、泣き声、笑い声に注意する。深夜の入浴・シャワー、洗濯、冷暖房機器・掃除機の使用を控える。
- アイドリングやクラクション:夜間は最小限に。
もしも生活騒音問題が生まれたら
まずは直接相手に相談しましょう。生活騒音は、日常生活のモラルの低下やコミュニケーション不足が原因の大部分を占めています。
相手に直接言いにくいものですが、悩みを解決するには、直接相手の人に自分が迷惑をかけていることに気づいてもらうことが必要です。我慢を重ねるとトラブルが生じやすくなります。ゆずりあいの気持ちで話し合い、理解を求めあうことが大切です。
被害を感じたら
- 我慢をせず、早めにさりげなく理解を求めましょう。
- 感情的にならず、わかりやすい説明をしましょう。
騒音で迷惑をしていることを、原因者は気づいていないのかもしれません。怒り口調でまくしたてると、解決が難しくなる場合があります。
苦情を言われたら
- 感情的にならず誠意をもって話し合いに応じるようにしましょう。
- 相手を突き放したりしないほうが、解決しやすいです。
- 地域で解決に向けて話し合う機会を作りましょう。
法令で規制されていない生活騒音の問題に、役場が関わることに戸惑いを感じたり、憤慨したりするなど気分的に穏やかではいられない人もいます。当事者間で解決できないときには、地域で話し合うことのできる機会をもつようにしましょう。
生活騒音のトラブルを減らすために
- 生活騒音をどの程度苦痛に感じるかは、その人との付き合いの程度によって変わるそうです。日頃から良好な隣人関係を築きましょう。
- 発生させる音を少しでも小さくする工夫をしましょう。
- 大きな音を出す場合には、前もって近所に知らせましょう。