原山1号墳は、国道4号線沿いの丘陵上にあり、古くから埴輪の採集できる古墳として知られ、昭和48年に、力士像埴輪が、発見されました。
昭和56年10月、福島県立博物館設立にともなって、学術発掘調査が行われ、調査の結果、この古墳は、前方後円墳であることがわかりました。かなり壊されていましたが、全長はおよそ22mと考えられています。
遺体や副葬品がおさめられた場所は、残念ながらすでに失われていました。埴輪は、古墳のまわりの溝に落ちた状態で発見されました。本来は古墳の上に立 て、並べていたと考えられます。出土埴輪は、大きく分けて円筒埴輪と形象埴輪があります。形象埴輪で形のよくわかる7体(盾を持つ人、冠を被る男子、力士 像踊る男子、琴を弾く男子、盛装の女子、鳥)はよく知られています。
ほかにも同じような破片があり、これらの埴輪は2体ずつあったようです。
また、馬の埴輪の破片も見つかっています。人物埴輪としては古い頃のもので、また、埴輪の組み合わせがよくわかる例として、全国的にみてもたいへん重要です。
これらの埴輪の特徴や、ほかに見つかった土器から、古墳がつくられたのは、5世紀後半と考えられます。古墳に葬られた人物は、この地域を中心に権力をふるった支配者だったのでしょう。